スループット会計クイズの答え【前編】

先週のクイズはこちら

【従来の考え方】
従来というのはコスト会計での考え方です。
売上、原材料費、加工時間をまとめました。

 

すべての項目で婦人服が紳士服を上回っています。

なので、
1)まずは利益率の高い婦人服を需要がある分120枚作る
2)婦人服は1着15分かかるので、
15分 x 120枚 = 1800分
かかる
3)稼働時間は週2400分なので、残り600分
4)紳士服は1着10分かかるので、
600分 ÷ 10分 = 60枚
作ることが出来る
5)よって、婦人服120枚 紳士服60枚の場合、利益が最大
6)この場合の粗利は、
婦人 usd60 x 120 + 紳士 usd 50 x 60 =usd10,200
7)業務費用(人件費、家賃、光熱費)は週usd10,500
8)よって、週 usd300 の赤字
となる。
この結果を元にすると、工場を閉鎖するという経営判断をする可能性があります。

ここで、仮に、紳士服を120枚作った場合を考えてみましょう。

1)紳士服は1着10分かかるので、
10分 x 120枚 = 1200分
かかる
2)稼働時間は週2400分なので、残り1200分
3) 婦人服は1着15分かかるので、
1200分 ÷ 15分 = 80着
作ることが出来る。
4)よって、婦人服80枚 紳士服120枚 作れる。
5)この場合の粗利は、
婦人 usd60 x 80枚 + 紳士 usd50 x 120 = usd10,800
6)業務費用は週usd10,500
7)よって、週 usd300 の黒字

真逆の結果になりました。
工場を閉鎖する必要は、なさそうです。

なぜ、利益率の低い製品を作ったほうが利益が増えるのか?

この答えがTOC理論であり、スループット会計に繋がります。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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