買う理由

アパレル市場が右肩下がりになってきたのは、
コンペティターと似たような商品を他社より安く販売することでシェアを取ろうとしてきた、
という経緯があります。
しかし安くしても、売れる枚数は変わらなかったのです。

その他には、
洋服ではなく他のモノ・サービスに課金しているから、
服にかけるお金が減ってきた、
という理由もあります。

昔は店も少なく、もちろん、ネットショップなんてありません。
通販はありましたが、店頭よりも企画に時間がかかっていて、
新鮮さはありませんでした。

また情報も限られていました。
主な情報源は月に1回発売される雑誌で、
タイアップ記事やステマ的なものも多く含まれていたと思います。

マスコミとアパレルが結託して、トレンドを作り発信していました。
(そのせいか、アパレルは消費者より上という意識が垣間見えます)

今や、個人も情報を発信するし、お店はネット上で腐る程あるし、
国境も超えています。

また、各種サービス間での可処分所得と可処分時間の奪い合いは熾烈です。

結果、消費者はコスパやタイパを考えるようになり、
「納得できないと買わない」
という当たり前の現象が起こっていて、
アパレルの優先順位は年々低下している、
というのが現実的なところではないでしょうか?

アパレル不況の最大の問題点は、消費者の消費行動の変化にアパレルが
気付いていない、もしくは、付いていってない、ことです。

目的が不明確
成果が不明瞭
なものに消費者はお金を掛けられなくなってきている。

アパレルが注力しなければいけないことは、
消費者に「買う理由」を「ロジカルに」気付かせることです。

20%の服好きは勝手に買ってくれるので、
80%の服に興味がない人に、
いかに買ってもらうか、
買う理由に気付いてもらうか、
が大切です。

消費者自身に服を何枚持っているか気付かせること、
服の耐用年数はどれぐらいかを教えること、
このような地道な訴求が必要だと思います。

販売するときに、服に「使用期限」を付けるぐらいは
した方が良いと思います。

「毎週1回洗濯したら2年でダメになります」
などの情報が購入する段階で開示されていたら、
消費者は安心できそうですね。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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