やっぱりな、スニーカーのリサイクル

繊研新聞の2/7付け、2/22付けの記事で、ドイツのスタートアップ ”フリップ” によるスニーカーリサイクルの追跡実験 SNEAKERJAGDの記事がありました。
SNEAKERJAGD
https://sneakerjagd.letsflip.de/
繊研新聞記事
https://senken.co.jp/articles/107d5269-9121-41dd-a5a4-370ef5d91f8b
https://senken.co.jp/articles/d80a9e58-efbb-499c-9726-639c3465b5c3

その実験方法は、使用済みのスニーカーにGPS発信機を埋め込み、その動きを追いかける、というもので、今回は3つの結果が報告されています。

1)グローバルブランドAの場合
グローバルブランドAは、店頭でリサイクルボックスを設置し、再販可能な状態のものは再販、再販不可能な状態のものは、ランニングトラックやバスケットコートなどのフロア材として再利用する活動を行っています。
今回の実験では、新品や新品に近いものまで廃棄・粉砕されている、ということが判明しました。

2)大手ブランドBの場合
持続可能性を大きく打ち出す大手ブランドBは、ウェブサイトに「使用済み製品のリサイクルを始めた」と掲載しています。
実験では、返品後3ヶ月間、GPSの電池が切れるまで、同社の倉庫から動かなかったことが分かりました。
少なくとも3ヶ月はリサイクルされなかったということになります。

3)福祉団体Cの場合
福祉団体Cでは、回収した状態が良いものは再販売され、一部は困窮者に寄付されることになっています。
この実験で使われたスニーカーは、回収後、同団体が経営する中古品販売店で販売されていましたが、売れなかったようで、1ヶ月後、ベルギー・アントワープ港からスエズ運河を通り、ケニアに移動します。ナイロビ郊外の中古品販売チェーンで仲買人に買われましたが、そこでも売れなかったようで、再び仲買人によりエチオピアに運ばれ、そこでGPSの電池が切れ、スニーカーは消息を断ちました。

なんとなく想像できたことではありますが、非常にシビアな実験結果になっていると思います。
ちゃんと処理されている商品もあるのでしょうが、人が使わなくなった服や靴の多くは状態が悪い、と考えられますので、再販売できる可能性は極めて低いでしょう。

ということは、グローバルブランドAのように違うものに生まれ変わらせたほうが合理的ですね。彼らの失敗は、「再販売可能な商品」まで粉砕していたことです。

一番問題なのは、福祉団体Cのケースではないでしょうか?
中古販売店で販売できなかったものは、寄付か廃棄するほうがよくて、それを第三国に持っていくことは先延ばししているだけに過ぎません。

実際、世界で廃棄されるテキスタイルの7割以上がアフリカに運ばれ、その半分は再利用されず、多くは街中や自然の中に捨てられていると言われています。

今回のフリップの追跡実験から、
・大手ブランドによるリサイクルの取り組みがまだ未熟な面があること
・現在のリサイクルのシステムがむしろアフリカの廃棄物を増やしている可能性があること
が分かります。

では、何もしないことがいいのか、というとそうではないでしょう。

不良在庫を安く買って再販売する、それでも余ったものはどうするのか?

先程も考えたように、それを原料に違うものに生まれ変わらせることが大切だと思います。
そのためには、最初から、最終的には生まれ変わらせることを前提に、商品はもちろん、ビジネスの設計も行うべきですね。

コメントを残す