パタゴニアのリセールビジネスに見る品質の意味

パタゴニアのリセールビジネスに見る品質の意味

アウトドアブランドのパタゴニアが8月に渋谷店の1階に古着店を期間限定でオープンしました。2021年9月26日(日)まで
https://wornwear.patagonia.jp/event/

「サーキュラー・エコノミーの実現に向け新品よりリセールの売上を伸ばしたい」
とトップに言わしめる企業文化、すごいですね。
私個人的には、シー・シェパードのスポンサー企業だったという点でまだマイナスなのですが、取組自体は素晴らしいと思います。

パタゴニアは、アパレル産業では真のサステナブルはありえない、という考えのもと、自身のことをレスポンシブル・カンパニー=責任ある企業としています。

与える害を最小限にすることを念頭に、まずは、消費を減らす、そして、その後は服の寿命を伸ばすことを目指していて、今回のworn wearは寿命を伸ばすことにつながっています。

ここで問題になっているのが、品質です。
服自体の耐久性が高いことが大前提のビジネスです。1年2年でボロボロになる服だとリペアし甲斐がないですよね。

当然、品質には色んな側面があります。
堅牢度も大切ですし、物性も大切です。
ただし今のアパレルの品質基準は、消費者保護のため基準なんだと思いますが、どちらかというと「消費者クレームされないための基準」になっていると感じます。
一部の基準が過剰になってないでしょうか?

自分たちの服が普遍性を持っているのであれば、その品質基準は、耐久性に重きが置かれると思います。
単なる流行の追っかけなのであれば、耐久性なんかどうでもよくて、自社のリセールなどは考えられないはずです。

パタゴニアの「アパレルはサステナブルではない」「自分たちに出来ることは害を最小限に押さえること」という考え方には、学ぶことが多いですね。

アパレル業界のニュースを7つ選ぶ #7picks は、こちら

https://twitter.com/hashtag/7picks

その他、毎週月曜日配信のメルマガ「アパレル業界の〇〇な話」もよろしく。バックナンバーはこちら

https://b.tenjikaionline.com/category/blog/marumarustory/

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

コメントを残す