ライフスタイルを提案する

経済成熟したモノ余りの社会では、
「モノ消費」
から
「コト消費」
へのシフトが言われていました。

アパレルでは、
「ライフスタイル提案」
という号令のもとに、
その時の流行りに乗っかったブランドが多く出ました。

エシカル、ヨガなど、あまりに薄っぺらすぎて、
思い出すことすら出来ない。

いまはゴルフ、少し前は、キャンプ、アウトドア。
サスティナブルは、日本人の価値観が追いついてないためか、
アパレル消費ではブームが来ていません。

昔から、この「ライフスタイル提案」という言葉が
しっくり来ませんでした。

ライフスタイルって何なんでしょう?

新しくブームになったスポーツ・趣味のこと?

その時に着る服や道具を提供することが、
ライフスタイル提案?

もしそうであれば、新しいブームを自ら提案していくことが、
ライフスタイル提案ではないのか?

そんなこと、アパレルに出来るわけがないです。
だから、アパレルのいう「ライフスタイル提案」に対して、
「まやかし」を感じるのでしょう。

ここ数年で大きく変わったアパレル流通に、
個人間の2次流通があります。

「捨てるぐらいなら売る」のは、
「安く買える」のであれば、
「人が着たものを抵抗なく着る」ことが出来る人が
増えたからですね。
(私はいまでも古着を買おうと思ったことがありませんが、、、)

決してサスティナブルの視点ではないです。

ライフスタイルという言葉の意味が
「人生の価値観」
だとすれば、「ライフスタイル提案」というのは、
2次流通価格が表示されていたり、
耐用年数が表示されていたり、
ではないでしょうか?

いましか着ないものを買わせようと躍起になる姿が
少しでも減っているといいな、と思います。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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