KDDIのヘアサロンの定額サービス「Beauty pass」から考える 定額制サービスについて

KDDIのヘアサロンの定額サービス「Beauty pass」から考える 定額制サービスについて

先日KDDIがヘアサロンを平日限定で月に何度でも利用できる定額制サービスを始めた、というプレスリリースがありました。

https://www.au.com/information/topic/content/2021-029/

いわゆるサブスクリプションサービスと言われるものです。

サブスクリプションは所有ではなく利用であり、ユーザーとの長期の関係性を築きやすい、という解説がよくありますが、それは後づけのような気がしています。
サブスクリプションサービスは、多くの場合、無料のお試し期間があります。
無料お試し期間が長ければ長いほど、その期間にユーザーが体験する機会は多く発生するため、いざ解約する時の心理的ハードルは上がります。
無料期間の間に沢山経験しておきたいと思うのが人間の心理でしょう。
なので、あくまでも囲い込むための戦略だと思います。

今回のKDDIのサブスクリプションサービスが非常に良いと感じたのは、そのバランスで、サービス提供する場所を平日限定のヘアサロンにしている点です。多くのヘアサロンでは平日は暇で土日にお客さんが集中していると仮定すると、ヘアサロンは少しでも集客を平準化したいと考えます。人気のサロンに慣ればなるほど、土日には、お客さんを捌ききれないからです。
そして、髪の毛は多くの人は時間とともに伸びていくので、定期的に整える必要があります。ある意味、生きていくために必要な”食事”に近いものがあります。
KDDIのサブスクリプションサービスは、平日限定なので、いままで土日に集中していたお客さんをうまく平日に誘導し、土日のキャパを拡げられる可能性があります。

アパレル業界ではどうでしょうか?

アパレル業界では、生産面では、昔から閑散期オーダーというものが存在しました。
キャパの空いている時に定番商品や福袋用の商品を低コストで生産するやり方です。

一方、販売のリアル店舗では、平日と休日の集客の差を積極的に埋める施策はこれまであまりされていなかったと思います。ECというのは、その面でも有利に働きます。

リアル店舗にはリアル店舗の強みがあるわけですから、月会費を払えば平日のリアル店舗の買物が割引になるようなサブスクリプションサービスであったり、会員には積極的なダイナミックプライシングを行うなどのサブスクリプションサービスが生まれても良い気がします(もちろん独占禁止法との絡みもあります)。

アパレルの定額制というと、所有ではなく利用という側面からのレンタル系のサービスが多いですが、これは生活様式や価値観を変えようというものです。確かに、このような新しい価値観を提案することは大切なことですが、そこまでしなくても、今の技術を利用したやり方でも、まだまだやり残されているものがあるのではないでしょうか?


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吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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