着たいのは「丸見え」な服

着たいのは「丸見え」な服

7/30 の日経MJ
着たいのは「丸見え」な服
という特集記事についてです。

サスティナビリティーの一貫として生産工程の「透明性」にこだわるブランドが相次いている、ということで、6つのことが紹介されています。
環境面では
①オールバーズ
②オーゼロユー
③ユニクロ
原価面では
④10YC
⑤エバーレーン
素材面では
⑥トゥルーコットン

最近、私はCO2排出関連に興味がありますので、今回は②について見てみましょう。
アダストリアが今春に立ち上げたオーゼロユーは環境への配慮を前面に打ち出しており、ECの商品紹介ページには、サスティナビリティーの項目を設けています。

例えば、LIGHT NECK DRAPE SHIRT BLOUSE という商品ですと、
https://o0u.com/collections/women/products/229379
CO2排出量 4.8kg で、杉11本分の削減効果がある、と記載されています。

林野庁のデータによりますと、36~40年生のスギ人工林1ヘクタールが1年間に吸収する二酸化炭素の量は、1000本の立木があるとすると約8.8トン、1本あたり8.8kgとなります。
https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/20141113_topics2_2.html

よって、通常のものは、4.8 + 8.8 x 11 = 101.6kg も CO2を排出しているということでしょうか?
101.6kg が4.8kg に削減される、というのもすごいですが、通常のものは1枚で101.6kgを排出しているというのもすごいですね。


現時点で、CO2排出量の多少で買う服の意思決定を下す人はまだまだ少ないと思いますが、いま大切なことは、自分たちがどれだけのCO2排出をしているかを把握することでしょう。

そういう意味で、この o0u の取組は素晴らしいと思います。



①オールバーズでは、独自開発したCO2排出量の算出ツールをエクセルで公開しています。
そのうち、製品の見積提出と一緒にCO2排出量も提出することになるのでしょうか?

企業はCO2排出量ゼロを目指さなければなりませんので、服を生産すればするほど、販売すればするほど、CO2排出権を購入する必要が出てきます。
また、将来、一般消費者にもCO2排出量ゼロにするための税金が発生する可能性もあります。
そうなると、もう他人事ではありません。
どうせなら、CO2排出量が少ないブランドが売れるでしょう。

そんな日は、刻一刻と近づいています。
経済活動とともにCO2は必ず排出されてしまう、と仮定すると、今からその対策を立てておいたほうが良さそうですね。

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吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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