favyの横丁を考える

数年前の恵比寿横丁を皮切りに、
若者向けの飲み屋として「横丁」が流行っています。

そんな横丁ビジネスの中で注目されている
favyの横丁モデルについて、日経MJの記事から考えてみます。

favyはもともとグルメサイトの運営がメインの事業でした。
が、コロナになり、取引先は8000社から数百社まで落ち込み、
飲食店支援主体に切り替えました。

その中の一つが「横丁ビジネス」です。

今年8月に開業した「汐留横丁」の場合、
favyが横丁のスペースを一括してビルから借ります。
そこに、12店舗分の調理スペースと客席を配置します。

テナントは、ここのテナントと契約する必要がないので、
手間が省ける、というメリットがあります。

出店側の初期費用は一律20万円で、什器や厨房設備は、
favy側が用意したものを使用します。
家賃は売上の12~20%で、それ以外には固定費として
月5万円の宣伝費やシステム利用料がかかります。
一般的な店舗と比べ、ランニングコストは1~2割抑えられます。
契約期間も自由度が高く、退去費用も必要ありません。
自分のお店を開業する前の人にとっては、非常に魅力的です。

来店者は卓上のQRコードを読み込んでスマホからメニューを
オーダーすると、スタッフが席まで運んでくれます。
いろんなお店の味が席に居ながら楽しめるわけです。

favyは、同じ横丁や他地域の横丁にある店舗の売上情報も
すべて、出店者と共有することで、メニュー開発や集客策の
支援を行っています。

単なる場所貸しではなく、出店者に成長してもらうことで、
集客も売上も上げようというスタンスが素晴らしいですね。

アパレルでも同じような形態のお店は出来そうです。
・商品の陳列をメインにするのではなく試着をメインにする
・家賃は売上の歩合とする
・試着のオーダーや購入はスマホで行う
・その情報はすべて店舗側とも共有する
・契約期間を柔軟にする

リアル店舗の武器は、商品を手に取り試着できること、
なので、その武器を最大限に活かすお店とはどんなお店か、
を考えると、新しいお店や形態が出来そうな気がします。

やっぱり、外食産業のほうがアパレルより、いろんなこと
考えている気がしてなりません。。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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