過剰なものから足りないものを作る

先日、撮影と編集を依頼するために、松本さんという女性の方と話ししました。写真や映像の専門の勉強をしていたわけではなく、半分、仕方なしにこの仕事をしているとのこと。
本業にしたいのは、環境開発問題の解決事業なのだが、全然、食べていけないため、映像の仕事をしているそうです。

松本さんの本業はプラスティック廃棄物を違うものに生まれ変わらせる事業で、オランダ発祥のpreciaous plastic というオープンソースプロジェクト。
オープンソースというだけあって、日本各地でもすでに動いているプロジェクトです。
家庭や地域から出たプラスチックごみを原料として、違うものに再生するケースが多いようです。

確かに、全く儲かりそうな匂いがしません。。

が、松本さんのprecious plasticは原料の供給先として組んでいる相手が他と違っていました。彼女は3Dプリンター成形の業者と組んでいるので、安定的に、安定した原料が手に入る環境にありました。
3Dプリンター自体の歴史が浅く、まだリサイクルにまで手が届いていないようです。

アパレルでいうと、昔は捨てていた裁断片が集められてリサイクルされていく流れに近いと言えます。
リサイクルの効率は廃棄物の純度に比例していきます。服より生地、生地より糸、を原料にする方が容易ですね。

松本さんの手にするプラスチック廃棄物は原料として理想的なので、あとは何にするか。キーワードは、足りないもの、だと思います。
おしゃれなもの、かっこいいもの、ではなく、足りないもの。

過剰なものから足りないものを作って、初めて、持続可能なリサイクルのビジネスが生まれると信じています。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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