上海で見えた日本と中国の違い

先週、久しぶりに上海へ出張に行きました。
人通りも交通量も少なくなっていて、
空きテナントも多く、みんなが言うように不景気なんでしょう。
コロナで地方に帰った人が戻ってきてないようですね。

そんな中、キャリーケースが壊れてしまったので、
中山公園のショッピングセンターに買いに行ったのですが、
以前あったカルフールはコロナの影響で撤退していました。
代わりに入っていたのは、少し高級な食料品中心のスーパーでした。

多くの人がネットで買物をするようになったためか、
・低価格品を扱うリアル店舗が減少し、
・高価格ブランドのみが実店舗を運営している、
・リアルで残っているのは食料品・飲食店のみ
という状況でした。
これは、上海の郊外でも同じ現象です。

一方、無人化・省人化への努力は凄まじく、
何でもかんでもスマホからの操作を要求される感じです。

高級店を除く飲食店では、メニューや注文はテーブルから
スマホで行い、決済まで行う場合もあります。

電車のチケットは身分証明書がチケットの代わりになっており、
紙のチケットはほとんどの人が持っていません。

外国人もパスポートがチケット代わりです。
改札はカードやパスポートを置くと、ピッとゲートが開きます。

カフェラテの無人機もありました。
スマホで決済すると、ロボットアームが動いて、
カフェラテを作り、蓋までして受取口に置いてくれます。

人の消費行動は予測不能なので、そのために人を雇うことが
経営上、大きなリスクになっているから、無人化・省人化が
進んでいると考えられます。

また、24時間の無人ジムにも行ってみました。
サービス開始時は、
「月会費0 利用ごとに1時間10元の利用料」
という料金体系でしたが、
今は
「1利用で25元」
でした。もちろん「月会費は無し」です。

完全無人でシャワーなし、トイレはテナントのビルのものを
利用となっていましたが、マシン系は一通り揃っていて、
チョコザップとエニタイムの間といった感じです。

街にあふれるレンタル自転車もそうですが、
月会費がないのがすごいですね。

日本のサブスクだと月会費モデルが多くて、
「気付いたら払っていた」幽霊会員からの収入で
ビジネスを成立させているような気がしますが、
中国では都度課金モデルが多いです。
ハードルの低い都度課金から入って、
気に入ったら3日券や7日券などを購入し、
さらに月会員になる、という流れが出来上がっています。

レンタル自転車も24時間無人ジムも、
それ自体のサービスでの黒字化よりも、
利用者データを多く集めることが目的な気がします。

結果、資金ショートしてしまうサービスも多いですが、
新しいものが生まれてくるワクワクが、今の中国にはあります。

次に行ったときには「これが!?」というものがあるのでしょう。

日本だと「社会課題の解決」を掲げたサービスが多い気がしますが、
中国だとストレートに「儲けてやる!」感が強くて、
かえって好感が持てて楽しみです。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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