昆虫食までいかなくても

穀物の価格上昇や食肉の安定供給の問題から、植物由来の代替肉や、昆虫由来の食べ物等が話題になりました。無印良品ではコオロギを使ったコウロギせんべいを発売しましたが、食べられましたか?
無印良品 コウロギせんべい
https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4550344162897

私は新しいものはとりあえず試す派ですが、まだ試していません。わざわざコウロギ食べなくても、と思ってしまいます。
昆虫食のメリットは
・豊富な栄養素が含まれること
・生産時の環境負荷が低いこと
・生産が容易で生産スピードが早いこと
が挙げられます。

世界では伝統的に昆虫を食べることがありますし、日本でも蜂の子を食べる習慣がありますから、10年後には普通になっているかもしれませんが、、、、

人が直接昆虫食を食べる前に活用されそうなこと、それは昆虫由来の動物飼料の開発です。

日経MJによると、タイで昆虫由来の動物飼料の開発が進んでいるようです。
食品廃棄物を餌に育てたアメリカミズアブの幼虫をすりつぶして魚用飼料に加工する技術を開発するスタートアップ、バイオバードプロテインがあります。
アメリカミズアブは卵を生んでから4日で孵化し、14日で成虫になるという成長スピードと、幼虫に含まれる豊富な栄養素が魅力です。

私はミミズコンポストで生ゴミや雑草を肥料化していたことがあります。その時の最大の敵が、このアメリカミズアブでした。
蓋をしているのにどこからかやってきて、コンポストの中に卵を産み付け、ミミズの邪魔をします。
放置しておくと一気に繁殖するので、幼虫を見つけては半分に切って金魚の餌にしておりました。
バイオバードがやっていることの生産効率の高さ、何となく実感できます。

食品廃棄物→ミミズによる分解→肥料をして使用、という循環もあれば、
食品廃棄物→ミズアブの生産→飼料として使用、という循環もあります。

ミズアブの生産にも制約はあるでしょう。昆虫の栄養価を高めるための研究開発や天候や気候の影響を受けない効率的な生産方法の開発なども必要です。

自然界では魚が虫の幼虫を食べて成長することは当たり前に起こっていることですし、雑食性の動物が昆虫を食べることも自然です。

人間が直接昆虫を食べなくても、人間の食料を安定供給するために昆虫を活用することの方が合理的です。
こういう視点を持っておきたいですね。

ミミズコンポストで悪戦苦闘している時に、どうしてミズアブの活用を思いつかなかったのか、悔やまれます。

水を使わない風呂、というような、前提をひっくり返すような思考を身につけたいものです。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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