スマホゲームの葛藤

スマホゲームを制作している会社の幹部と話をする機会がありました。
スマホゲームを取り巻く環境もコロナ前と後では大きく変わったそうです。

コロナ前は、スマホアプリのダウンロードランキング
の上位10は、ほとんどスマホゲームだったのが、
コロナになって、1/3になったそうです。
代わりに入ってきたのは、
・動画アプリ
・マンガアプリ
・出会い系アプリ
です。

ステイホームで可処分時間が増えてゲーム以外にも時間を使うように
なったのではないか?という仮説があります。
なので、ゲームをする時間が減ったというよりも、ゲーム以外にも
時間を使うようになったと言えます。

ゲーム会社としては、動画、マンガ、出会い系に負けないで、
以前のようにランキングをゲームで独占したい、という気持ちが
あります。

出会い系は別として、ゲームと動画・マンガでは何が違うと思いますか?

動画・マンガにはあって、ゲームにないもの。
それは、「学び」「気づき」ではないでしょうか?

キャラクターを育てても、
敵を撃ち殺しても、
ブロックを消しても、
タイムを縮めても、
何も学びや気づきはありません。

だから、大人は、
「〇〇というゲームをやったら面白いのでやってみたら?」
とは、なかなか勧めにくいのです。

ましてや、ゲームに課金している、というと、
結構、引かれると思います。
結果、おもての口コミ拡散力が弱くなっています。

一方、動画・マンガは、学びや気づきがあるので、
面白いものは自信をもって、人に勧めたくなります。
動画やマンガに課金しても、引かれることはありません。
むしろ、無料の方が、子供っぽく思われるかもしれません。
著作物にお金を払うことには全く抵抗がないですね。

では単純に、ゲームでも学びや気づきがあるようにすればいいのか?
というとそう単純ではなさそうです。

ゲーム良さは、何も考えずに楽しめるところですから。

何も考えずに楽しみながら、学びや気づきがある。

この壁を突き抜けると新しい市場が見えてくると思います。
ただ、ゲームの企画はリリースの3-4年前からスタートします。
3-4年後の消費者マインドなど、予想出来ないですね。
一か八かの勝負で成功率は2割程度のようなので、
数を撃てば、なにか引っかかる、その程度のことなのかもしれません。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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