ビジネスモデル=キャッシュポイント

アパレルOEMのビジネスに携わり始めて、25年になりますが、25年前から基本的なビジネスモデルは変わっていません。
販売先へは商品を買取条件で販売する。
ソフト面の業務分担は、それぞれの有する機能によって異なりますが、今もほぼ同じですね。

伊藤忠に入社した時に配属された課は、いまから思えば、超先進的な課で、営業2人以外はほとんどが業務委託のプロの方々。デザインやパターンなどの機能も、外部の企画会社やパターン会社を取りまとめ、お客さんに提供していました。

ただ当時、すでに先輩が「こんなビジネスモデル、そのうち壊れる」と言っていたことを今でも思い出します。

お客さんに言われたものを生産して納品する、から、商品を提案し生産して納品する、に変わっても、キャッシュポイントが変わってない、という意味だったのです。

25年後の今でも、ビジネスモデル=キャッシュポイントは変わっていません。
新しいビジネスモデルを作りたい、と思って独立しましたが、道半ばです。

そんな中、「こういう考え方したいよね」と思える記事が日経MJに載っていました。

それは、タイの料理宅配サービス「ロビンフッド」の紹介です。
https://www.nikkei.com/edit/news/special/newpro/2021/page_5.html

通常の宅配サービスは、飲食店から注文金額の数十%の手数料を取るのが一般的ですが、ロビンフッドは手数料を取らず、レストランへの融資や広告料で収益をあげるビジネスモデルです。

宅配サービスのずっと前から展開していた株取引の手数料無料サービスが、宅配の無料サービスにもつながっていると思われます。

株取引の場合は、手数料無料の他に、0.000001株(ミニマムはUSD1.00)から投資できたり、毎月自動的に振込む登録をしておくと、その額に年利1.8%の金利がついたりするサービスも提供しています。
ロビンフッド側のキャッシュポイントは、毎月USD5.00 で、より詳しいリサーチや分析データにアクセスできたり、ロビンフッドから融資を受けることができる「GOLD」というサービスがあります。

宅配サービスの手数料を無料にすることで、飲食店は、他の宅配アプリよりも安くで「ロビンフッド」には商品の提供を出来るので、比較されると、ロビンフッドに軍配が上がるという訳です。

単なる手数料のダンピングや過剰サービスでシェアを広げるのではなく、キャッシュポイントを別に持つことで、レッドオーシャンごと根こそぎ持っていこうといてるんです。

今の仕事のキャッシュポイント変えて、違う世界見てみたいですね。

ちなみに、ロビンフッドは先行投資がかさんでいて業績は赤字、という典型的なスタートアップとなっております。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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