24時間ジムの戦い

2ヶ月で理想の体を作り、結果にコミットする
ライザップがチョコザップという名前で
24時間ジムに参入しました。

コンセプトはコンビニジム。
会費は月3000円。一般的な24時間ジムの1/3ぐらいです。


チョコザップの話を聞いた時、
「機材もしょぼいし、絶対に流行らないだろう」
と思っていたのですが、案外、人気があるみたいです。

どういうことが起こっているのか、考えてみました。

もし私がフィットネスビジネスを始めるとすると、
「マシンではなく、バーベルやダンベルに特化したジム」
を考えます。
本格的に筋トレを始めると分かるのですが、
24時間ジムは、
・混んでいて
・バーベルが人気があってなかなか空かない
からです。

「いつでもフリーウェイトをやりたい!」
(注:ダンベルやバーベルのことをいう)
と思っているトレーニーは多いので、
その受け皿になれば流行る、と思いました。

チョコザップは、フリーウェイトではなく、
ゆるめのマシンが並んでいるジムです。
「誰が行くねん」
と思っていました。

しかしよく考えてみると、チョコザップの方が、
ビジネスモデルとして優れていると分かりました。

ポイントは3つあります。

1)閑散期と繁忙期
ガチ筋トレジムは、20時以降、フリーウェイトが混みます。
社会人が会社が終わって来るからです。
そしてみんな、なかなかやりたいトレーニングが出来なくて、
イライラしています。
そして22時を過ぎると一気に人が減ります。

つまり閑散期と繁忙期がくっきり分かれているのです。

チョコザップは、運動したことがない人、ジムに通ったことが
ないような人を対象にしています。
日中は元気なおじさんやおばさんが、
夕方は会社帰りのおじさんやおばさんが、
ゆるーく使っていると想像できます。

結果、閑散期と繁忙期の波が小さいと考えられます。

2)ターゲット
ガチ筋トレ勢は日本の人口の3%ぐらいと言われています。
ということは、チョコザップは97%の人をターゲットにしています。
圧倒的にチョコザップの方が市場規模が大きいわけです。

3)回転率
チョコザップは1日5分から、とうたっていますが、
ガチ勢は最低1回1時間はジムにいます。
回転率が12倍です。

チョコザップのマシンは初心者用なので安価でしょうし、
ガチ勢のように重さを追求しないので、騒音や振動の問題も
少なさそうです。

ジムに行って体を動かしたいけど、ジムは敷居が高くて行けない、
という97%の人に刺さる可能性があるのです。

これって、ユニクロに似ていませんか?
ファッションには興味があるけれど何を選べば良いのか
わからないし、
店員に話しかけられるのが怖い、
という多くの人にユニクロは訴えました。

ファッション業界の人は当初、馬鹿にしていました。
「あんなのはファッションではないし、安かろう悪かろうだ」と。

しかし、結果はご存知の通り。

中に入ってしまうと、かえって見えなくなるものがあるようです。
常に視点を切り替える力を持っておきたいですね。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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