二方面から考える

というわけで先週からバンコクに来ています。
土曜日はパタヤ郊外のジョムティエンというところに日帰りしたのですが、目的はただ1つ。

「海の見えるサウナでまったりする」
https://g.co/kgs/fx5oC9k

バンコクに行かれた際には皆さんにもぜひ行って欲しいのですが、お客さんは70%ぐらいロシア人で、アジアにいることを感じさせません。

「日本にこんなサウナがあったら、とてつもなく流行るだろうなあ」

なんて思いますが、タイは常夏だから成立しているんですね。
日本のプールの営業期間を考えると1年の半分以上閉まってます。

さらに日本には冬があるからこそ、価値を感じていることに気付きました。
パタヤ郊外のジョムティエンにロシア人が多いのは同じ理由なのかもしれません。

日本の海沿いにオープンエアのサウナを作っても稼働期間が短い。
タイのビーチ沿いにおしゃれなサウナを作ってもタイ人には刺さらない。

つまり
・ビジネスとして採算が合うためには適した環境が必要
・マーケティングにはターゲットの背景を知ることが必要
ということになります。

同じようミスマッチはアパレルでも起こっていないでしょうか?

アパレルでは、地域や文化の違いによって製品が受け入れられるかどうかが大きく左右されるため、地域に合わせたマーケティングと商品開発が非常に重要です。

地域特有の気候とアパレルの関係で考えてみます。

気候がアパレルのトレンドや需要に大きく影響を与える例として、冬が長く厳しい地域ではダウンジャケットや防寒服が非常によく売れますが、温暖な地域ではこれらの商品が余り意味を成さないことがあります。
例えば、ヨーロッパのダウンブランドが、東南アジア市場で同じ製品ラインを展開しようとした場合、需要が非常に限られてしまうことは予想出来ます。
では東南アジア市場で展開することが間違いなのでしょうか?

マーケティングでの正解は、東南アジアから寒い地域に旅行する人たちに向けてno.1のブランドを目指す、です。

しかし、一方で考えなければいけないことはマーケットの規模です。
日本のプールのように1年で3ヶ月しかオープンしなければ、ビジネスとして成立しません。

ついつい、片方しか見えなくなってしまいます。
ブームに乗っかろうとすると特にそうなる傾向がありますので気をつけていきましょう。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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