スーツを着なくなった話

スーツを着なくなった話

 

「大人の半数はスーツを着る頻度が年に1回以下」

クロス・マーケティングが2023年3月にインターネットで調査したところ、スーツを年に1回以下しか着ない人が全体の56.2%に達しました。この結果は、特に40~50代の男性でも「週5日以上スーツを着る」人が約2割に留まるという驚くべきものでした。

 

スーツの歴史とビジネスウェアの変遷

高度経済成長期、日本のサラリーマンにとってスーツは「戦闘服」と呼ばれるほど重要な存在でした。しかし、1990年代に入り、「カジュアルフライデー」(金曜日はスーツを着ない)という動きが広がり始め、ビジネスカジュアル化が進行しました。

2000年代にはIT業界の台頭により、スーツを着ない新しいサラリーマン像が登場しました。さらに、2005年には国の政策として「クールビズ」が導入され、夏場の脱ネクタイが推奨されました。

 

コロナ禍がもたらした変化

こうした流れの中で決定打となったのが、新型コロナウイルスのパンデミックでした。リモートワークの普及により、オフィスに出社しない、対面で人に会わないという新しい働き方が定着し、スーツを着る機会が劇的に減少しました。

 

スーツ業界の挑戦

スーツ業界にとって、この30年間は逆風の連続でした。「クールビズ」はネクタイ業界にとっては大きな打撃であり、政策による影響が業界にどれだけの変化をもたらすかを実感させる出来事でした。

 

どうする?

ビジネスウェアのカジュアル化に対して異を唱えるつもりはありませんが、大きな外的要因によって沈んでいく業界があることは非常に恐ろしいことです。アパレル業界では、トレンドによる浮き沈みは常にありますが、政策による影響は予想外のものでした。

私たちは、今後の変化に対応するために以下の点を忘れてはなりません:

  • 人間はより楽に、より快適に、より便利に生きたい動物であること
  • 持続可能なビジネスでなければならないこと

このような視点を持ち続けることが、アパレル業界が未来に向けて発展する鍵となるでしょう。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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