ワークマンの強さ

環境に左右されないビジネスとは?

NEWPICKS より
ワークマン大量出店、倍の2000店 アパレル最大手一角に
https://newspicks.com/news/5492835

作業服を買ったことが1回あります。

数年前の冬にアパレル業界の先輩でもある知り合いが、変わったポンチョを着ていたので、

「どこのポンチョですか?」

と聞いたら、作業服、とのこと。
作業服は、安くて、防寒に優れていて、最近、ちょっと着れるデザインになって来ている
ということでしたので、私もネットで探して北海道の作業服屋さんの商品を買ったりしました。
確かに安くてそれなりに温かいのですが、作りが残念だったので、やっぱりなぁ、という感想でした。


2019年から快進撃のワークマンですが、このアパレル不況下においても好調をキープしています。

ワークマンのFC契約に対して称賛を送る人がいる一方で、実はブラックなんじゃないの?なんて投げかける人もいます。

なんとなく、ユニクロがフリースを出して原宿明治通りにお店を構えた頃の空気に似ているような気がするのは私だけでしょうか?

もともとワークマンはファッションという流行を追わずに、他を圧倒する値段と機能性を掲げて一般アパレルに殴り込みをかけて来ています。同じ商品を何年も大量に生産することでコストを下げ、それを何年もかけて売り切るので、従来のファッション業界視点からだと理解できないことも多いでしょう。

従来のファッション業界の視点だと
「今シーズンのものは来シーズンにはプロパーでは売れない」
からです。

人が服を着る場面を屋内・屋外で分けると、ワークマンは屋外の、特に厳し目な環境に特化していますが、値札を見なくても買える価格設定。

ガチのアウトドアはノースフェイスが筆頭ですが、価格も高く、汚れたらすぐに買い換える、というものではありません。ユニクロは、ファッション寄りのきれいめなので、アウトドアでガンガン使うイメージは無いですね。

「アウトドアには興味があるけど、ノースフェイスやモンベルのようなガチの高い商品はまだ買えないし、入門のウェアが欲しい」

という消費者が解決したい課題に向き合っているので、当分、好調を維持出来るでしょう。
更にワークマンの強みは、一般のお客さんのブームが去っても、ガテン系の顧客がついていることでしょう。彼らが求めているものは、いつでも買える価格、品揃え、価格ですから。

 

 

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吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。