コロナで瀕死の紳士服専門店はどうすべきか?

コロナで瀕死の紳士服専門店はどうすべきか?


少し前の日経MJ新聞の1面に、紳士服専門店最大手の青山商事の記事が出ていました。


1年で10年分縮んだというスーツ市場、そのままでは生き残れないので、創業以来初めての大規模リストラを行うようです。


全体の2割にあたる160店舗を閉鎖し、残りの400店の売場も最大半分に減らし、希望退職400人。

在庫を積んで、3年かけて売り切り、買取で低原価率を実現して、紳士服のカテゴリーキラーとして全小売業4位にまでなった青山商事ですが、次の収益源のために多角化もしてきたのに(アメリカンイーグルとかミスターミニットとか、、、)、「スーツ販売に頼るあまり事業転換のタイミングが遅れた」と結論付けられてしまっています。

クーズビズの時には政策で、コロナの時にはウィルスで、ビジネスを大きく左右させられた紳士服業界はどうしたらいいのでしょうか?

基本に戻ると「顧客に向き合うこと」しかないのですが、現時点での青山の戦略は、省スペースでも展開でき、なおかつ、在庫を持たなくてもいいオーダースーツへの注力のようです。

「スーツが毎日必要なもの」だった時代ではなくなった今、顧客はスーツを求めているのでしょうか?省スペース、在庫なしは、顧客が求めていることなのでしょうか?

青山商事の顧客は、サラリーマンでユニフォームとしてのスーツを必要としていた人。アフターコロナのサラリーマンのユニフォームに、サラリーマンが求めることは何なのでしょうか?
1周回って、スーツの方が何も考えなくてもいい時代が来るような気がします。
その時のために、安価で高品質のスーツを突き詰めていくことが、生き残るための方策ではないでしょうか?




ここで考えないといけないのは、「オーダースーツ」の展開は顧客のニーズに合うのかどうか。

スーツだったら何でもいい、という層が青山商事の一番の顧客だと考えられますので、
中途半端なこだわりは不要だと思います。





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吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。