付加価値を追求する

先日、大阪で繊維業界の会合に出て、当たり前のことを再確認しました。

・元気な会社はニッチなところで勝負しているということ
・在庫を持ったり設備投資をするなど、明らかな付加価値をつけているということ

アパレルOEMの仕事は、情報伝達や生産管理の業務で対価を得ているわけですが差別化はしにくく、付加価値を付けにくいと言えます。特に大手になればなるほど、商売の規模を求められるので、競争も激しくなり利益率が低下していくのは必然です。

では、大手を捨ててニッチなところで勝負すれば良いのか?というとそう単純な話ではありません。量を捌くことで得られるメリットが商社にはあるからです。

なので、アパレルOEMの仕事である程度の規模を求めるなら、その会社にしか出来ない付加価値をつけるしかありません。
そのために、ブランドを絡めたり独自に素材を開発したりするわけです。

ただ、それで粗利が2倍3倍になるような戦略ではないので、付加価値としては、あまり良いとは言えません。

その会社でしか出来ないこと、他社でやると脅されてもどうぞと言い切れる自信が持てること、が付加価値が高いと言える条件だと思います。

大阪で会った方達は、そのようなビジネスをされていると感じました。
多分、苦しい時代があったと思いますが、自分たちの付加価値に合うお客さんにうまくシフトしていったのだと思います。

自分たちにしか出来ない付加価値を追求すれば、他との勝負にならず、お客さんとの勝負になります。

その方が、健全だと思いませんか?

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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