ミスリードが生む不幸

創作調味料で旅行気分

9/22 にオーガニックコットンブランド「プリスティン」を展開する株式会社アバンティが実施した「オーガニックコットンに関する意識調査」が発表されました。
https://avantijapan.co.jp/

調査は8/31 – 9/7 にインターネットで行われ、全国の男女600人から回答を得たそうです。

オーガニックコットンの認知度は69.3%もあり、非常に高い印象を受けました。昨今のSDGsの流れも相まって、消費者の意識の高まりが感じられ、業界各社の発信の賜物だと思います。

一方、「オーガニックコットンの魅力は何ですか?」という質問に対しての1位から6位までは、以下の通りになっています。

1位 肌に優しい                67.1%
2位 地球環境に良い              51.2%
3位 着心地が良い               40.1%
4位 綿花栽培に携わる人々を守ることにつながる 25.5%
5位 吸湿性・通気性に優れている        19.2%
6位 保湿性に優れている            14.4%

この結果、皆さんはどう思われますか?

2位と4位は分かりますが、その他は事実と異なっています。

せっかく認知度が約70%と高くなっているのに、消費者には間違って伝わっているということです。
非常に残念な結果です。

もちろん、アンケートをとられた株式会社アバンティさんが悪いのではないのですが、例えば、オーガニックコットンの説明のときに言葉では表現されて無くても、
・赤ちゃんがオーガニックコットンの服を着て気持ちよさそうに寝ている画像

・女性のきれいな肌の画像
などを載せることで、消費者には
「赤ちゃんが着て気持ちいいなら肌に優しいに違いない」
とか、
「着心地が良さそう」
という印象を植え付けることになるます。

このようなミスリードは、短期的には企業の利益に結びつくかもしれませんが、中長期的に見ると消費者を裏切る行為ですので、企業にとっては損失になります。

アパレル業界は今までも消費者をミスリードすることで短期的な利益を上げてきた歴史があります。
例えば、消臭機能
匂いが化学的になくなるものもあれば、単に、匂いの分子が糸に付着しているだけで、根本的には何も解決されていない、但し、試験には合格してしまう、というものがあります。
また、秋冬の吸湿発熱素材も、体温が上昇して暖かくなるようなイメージを消費者は勝手にしてしまいますが、体温が上昇する服は薬機法対象になるのでありえません。あくまでも着用している服の温度が少し上昇するので、体温の上昇ではありません。

勝手にイメージする消費者が悪いのか、そのような印象操作を行う業者が悪いのか?

私には印象操作を行う業者が悪い気がしてなりません。

オーガニックコットンが本当に必要なものなのであれば、勘違いしている消費者に正しく理解させることが、アパレル業界で大切にすべきことだと考えます。

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吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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