石川遼、松山英樹、渋野日向子、そしてコロナ、と来てゴルフが若い年代で流行っているようですね。そのブームを追っかけて、ゴルフウェアに参入するアパレルが後を絶ちません。
子供のサッカーのように、ボールが右へ行けば全員が右へ行き、ボールが左へ行けば全員が左へ行くニワトリサッカーのような、この業界の体質は一体何なのだろう?と考えてみました。
トレンドに乗っかるというのはビジネスで勝つために非常に大切な考えだと思います。
拡大する市場に参入すれば、市場とともにビジネスも拡大します。ただし、競争が起こらない限り、という条件が付く場合です。現実はニワトリサッカーなので、一気に、競争が起こり、淘汰されていきます。その中で生き残っていくためには、消費者に支持されるしかありません。それは、価格かもしれない、名前かもしれない。無策では選ばれません。
ゴルファーはゴルフウェアに何を求めているのでしょうか?
ゴルフウェアは必要ですが、ゴルフライフの中で優先順位が高いこととは思えません。快適にゴルフが出来ることが一番大切で、さらに、おしゃれなゴルフウェア、かっこいいゴルフウェアを求める人も一定数存在すると思います。
が、自分の価値観で積極的に服を購入出来る人は非常に少ない、という現実を考えると、ブランドが乱立することは、選択肢が増えて幸せななのか?違いが伝わらないブランドが増えることで、かえって混乱し、結局、ナイキやユニクロに向かうことにならないか?
どうなんでしょう。。
人口が減少していく中で、ゴルフブームが今から10年、徐々に拡大していくとは考えにくい。
いまゴルフウェアブランドを始めるなら、「さっと参入して、いいところどりして、さっと撤退する」か「じっくりと腰を据えて文化を作っていく」かどちらかになるのでしょう。
最善は参入しないことだと思いますが。
展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。
~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。