納品期限が切れた食品の行方

食品業界には、大きく2つの期限があります。

消費期限と賞味期限です。

消費期限というのは、食べ物として安全に食べることができる期限
賞味期限というのは、食べ物として美味しく食べることができる期限
になります。

つまり、賞味期限が切れたとしても、食べられないわけではない、
ということです。
しかし実際には、賞味期限が切れている商品は店頭で販売できないので、
スーパーなどでは、もう1つ別の期限があります。

それが納品期限です。

納品期限は小売側が商習慣で設定している期限で、
「賞味期限が残り1/3になったら返品する」
というものです。
例えば、賞味期限が12ヶ月の商品があると、
賞味期限が残り4ヶ月になった時点で返品されるのです。

この商習慣が良いのか悪いのか、という議論は置いといて、
この納品期限がフードロスにつながっていることは間違いないでしょう。

スーパーやコンビニの「見切り品コーナー」ではこのような商品が
売られています。ネットなどでもこのような商品が販売されています。

この納品期限切れ食品を古着屋さんのお店で販売する。

ネスレ日本が、インスタントコーヒーやキットカットを
ゲオグループのセカンドストリートの一部店舗で期間限定で
テスト販売するそうです。定価の半額以下で売られるようです。
親和性高そうなので、ある程度の成果は出るでしょう。

ただこのような流通経路の開拓には危険が潜んでいます。
ブランド価値の毀損に繋がりかねません。

「いつでもセカンドストリートで半額で売っている」と
消費者に浸透すればするほど、プロパー販売は減ります。
そして、納品期限切れの商品が新たに発生する、という悪循環に
陥りかねません。

そして、そのうち、ラベルを付け替えた納品期限切れブランドなども出てきそうです。

ドラッグストアが今やスーパーと化しているように、
古着チェーンのアウトレット化が進むかもしれませんね。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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