米の本質

米というと、
昔はコシヒカリやササニシキ、
今は新潟県魚沼産コシヒカリが美味しい
とされています。

飲食店や百貨店、スーパーなどでも
産地名+品種名
という売られ方をしています。

お米がこのような売られ方になったのは案外最近で、
1995年に新食糧法が施行されて、
スーパーなどの量販店で米の取り扱いが解禁され、
同時に、産地表記の義務化が始まってからです。

それまでは、お米屋さんが独自にブレンドして販売するのは
当たり前のことでしたが、
スーパーではブレンドが出来ないため、
産地名+品種名
を打ち出し、米のブランド化が進んだ、と言えます。

では、本当にそのお米は美味しいのか?

農家さんによって味が違うし、
同じ農家さんでも田んぼが違えば味も違う。

美味しいお米をブレンドで出せないか?

そんなコンセプトで出来た会社が、快進撃を続けていて、
今や、セブンイレブンのおにぎりのお米の監修をしているそうです。
その名も、八代目儀兵衛。

八代目儀兵衛が持つノウハウは、
「米の美味しさとは何か?」
の追求によるものです。

「ふっくら・甘い」が美味しいとされていた中、
彼らは
「粒感と甘さの両立」
を目指し、それが多くのレストランや企業に認められた、ということです。

アパレルの世界で考えてみるとどうなるでしょうか?

八代目儀兵衛の成功で大事なことは、
「米の美味しさを再定義したこと」
だと思います。

食べ物には皆が求める指標として
「美味しい」
が絶対的に存在しています。
アパレルでは何があるでしょう?

考えても全然思いつかないです。
安さでもなければ、かっこよさでもなく、
日本製でもなければ、希少性でもない。

衣服の最初の役割が、
天候や気候から身を守ること
だったとすると、世界の多くの地域では、
すでにその役割は全うしています。
衣服以外のものの進歩も大きいです。

圧倒的に快適な気温・湿度で過ごせる服というのは
求められる可能性はあります。

どの国で作った
とか
どのブランドが作った
というのは、副次的な意味しか持っておらず、
何が出来るか
が大切な気がします。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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