ダイナミックプライシングはアパレルで通用するのか?

ダイナミックプライシングはアパレルで通用するのか?

需要共有バランス、繁忙期閑散期に合わせて商品やサービスの価格を変動させ、収益を最大化しようとするのがダイナミックプライシングと言われるものです。

AIの発達により、より適正な価格設定を行えるようになり、旅行や映画鑑賞で導入されています。

例えば、ホテルの宿泊費で考えてみると、同じ夏休みの料金でも早い時期での予約は割引率が高く低価格になり、直前になればなるほど高価格になりますが、当日などの直近は逆に安くなることあります。
飛行機のチケットなども同じような仕組みが導入されています。

キャパが決まっているから出来る価格決定方法なのかもしれませんが、アパレルでも参考にできる部分ないでしょうか?

現代アパレルでは、店頭投入した時が最高値でなだらかに価格が下がっていきます。
ただ、この価格変動グラフは、アパレルの価格破壊が起こる前から変わってないです。

数十年前は、小売価格は今の4~5倍でしたので、消費者が購入する枚数も少なく、洋服を買うという消費行動は、そこそこ大きな意思決定が必要でした。

しかし、いろんなプレーヤーが価格破壊を進めた結果、洋服を買うという消費行動のハードルはドンドン下がって行きました。そして、破壊した価格を維持するために、そして更に価格を破壊していくために供給量は拡大する一方でした。

しかし、価格変動のグラフは大きくは変わっていません。

消費者は「時間が経てば必ず安くなる」ことも、「今買わなくても買える」ことを知っています。
なので、「お買い得価格」になるまで購入されることが少ないのです。

ダイナミックプライシングを導入するとどうなるでしょう?

最初は定価で、シーズン終わりはセールで。その前に、人よりも早く決断した人には数量限定でインセンティブを与えられないでしょうか?

その方が、よほどファンが増えるような気がします。

同じ価格を下げるなら、その予算を有効に使ったほうがいいですよね。

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吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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