おはようございます。京都エモーション 吉川です。
今週は、「バーチャルが進むべき方向をアパレル的に考えてみる」です。
京都へ引きこもって約2ヶ月。先週、久しぶりに東京へ出張しました。
所用のため大阪伊丹空港から羽田空港へ行ったのですが、満席で超密状態。「大丈夫かな?」と思いながら、アナウンス「機内の空気は2-3分ですべて入れ変わります」
ラウンジはまあまあの人がいていつもと同じような雰囲気、機内で配られるドリンクはパックのお茶でしたが、何かの拍子にパックのボディーを押して噴水していまいそうなので、一気飲みしたのは私だけではないはず。。。。
2ヶ月ぶりのシェアオフィスの机のカレンダーは3月になっていて、横の席には知らない人がいて、シェアオフィスのスタッフも変わっていました。
我がアパレル業界はどうかというと、4月はリアル店舗も閉まっていて消費マインドも冷え込んでいましたが、5月にはネットを中心に売上が上がっている様子。ただし、店舗の落ち込みをカバー出来ているところはなさそう。
一方、先物の企画や発注は抑え気味で、20SS がほぼまるまる在庫になっているのだから、それをどうするか?が喫緊の課題ということです。
発注を抑える&期中企画増える→発注ロット小さくなる&QR生産が増える→ASEANから中国生産へ戻る、という流れが予想されますが、中国QR生産の背景探しの依頼がちらほら来ているので、この流れは実感できます。
今回のコロナの影響で「半分ぐらいは退場する」と言われていたアパレル業界ですが、これから正念場を迎えるのでしょうか?
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アパレルが進むべきバーチャルの方向を考えてみる
今週、配信した7picksで非常に興味をひかれるニュースがありましたので、振返ります。
6/1 の日経MJ新聞に載っていた、
”オンラインでサイクリングを楽しめるズイフトが人気を集めています”
【6月1日】オンラインでサイクリングを楽しめるズイフトが人気を集めています。家の中などに据え付けた自転車をこぐだけでバーチャル空間の自転車も動くため、新しいeスポーツとして定着しそうです。 pic.twitter.com/rGVXLu041V
— 日経MJ (@nikkeimj) May 30, 2020
今までの「バーチャル」という言葉、どちらかというと、ネガティブな印象を持っています。「バーチャル」=「疑似体験」なので、結局「ニセモノじゃね」という胡散臭いイメージでした。
10年以上前に、一瞬、世の中にでた「セカンドライフ」覚えていらっしゃいますか? それぞれのユーザーに似せたアバターが集まるバーチャル空間で、アバターを通してユーザーはコミュニケーションします。一時は、その土地が売買までされる、という過熱ぶり。
バーチャルが目的になるとこういうことになるので、胡散臭いのです。
仮想通貨にも同じ匂いを感じます。eスポーツにも似たものがありますね。「いやいや、スポーツしてないし」と思ってしまいます。
一方、日経MJ新聞に紹介されていたズイフトは、リアルに自転車を漕いでレースをしますが、その対決場所が「バーチャル」なだけです。
eスポーツとは、大きな違いがあります。
「ズイフト」で自転車競技に興味をもった人は、リアルの自転車競技を始める可能性が高いですし、「ズイフト」で鍛えれば、リアルの自転車競技にも十分役に立つでしょう。
今まで出来なかったことがテクノロジーによって出来るようになるって、このようなものではないでしょうか?
アパレル的に考えると、最悪なのは、zoom などでのやり取りが増えるから「バーチャルの服を売ろう」とか「アバターに着せる服を売ろう」とか。それでユーザーが満足すると「服なんてバーチャルでいいじゃん」となる矛盾。
アパレルが伝えなければいけない「服の良さ」、そんなんで伝わるんでしょうか?
おしゃれして出かけたくなるような、でも、その場所はバーチャルな空間で、場所を超えて集まれて、お互いがコミュニケーションを取れる、そんなバーチャルな空間があれば、楽しそうですね。
今風の言葉でいうと、オンラインサロンではなくて社交場。昔、夜な夜な友達と遊びに行っていたこと思い出しました。
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展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。
~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。