後出しジャンケンと自作自演

ビジネスで勝つためには、
後出しジャンケン
が一番いい方法です。

相手が「何を欲しがっているか」が分かっているので、
必ず、買ってもらえるからです。

しかし、多くの場面で、今あるものをどこに販売するか、
を考えるのではないでしょうか?

これは、先出しジャンケン とも言えます。

勝てるか勝てないかは、相手次第。
そして勝てる確率が非常に低い勝負に挑んでいるのです。

ジャンケンで後出しはルール違反ですが、
ビジネスではルール違反ではありません。

アパレル業界の歴史を振り返ってみると、
マスコミ・メディアと結託して販売していた頃は、
後出しジャンケン状態でした。

アパレルが売りたいものを、雑誌やテレビでトレンドとして発信し、
情報格差を利用して全員がハッピーだった時代。

製造しているものを「トレンド」にすることが出来れば、
そりゃ簡単に売れます。

なので、その頃のアパレル、原宿と百貨店のブランドは
儲かって儲かって仕方なかったはずです。

今の時代でいうと、インフルエンサーマーケティングが
同じやり方です。
ファンを作ってファンに買ってもらう。
雑誌やメディアが信用できなくなったので、
対象が個人に移ったからこそ成立しているビジネスモデルです。
ひとつひとつのパイは小さくなっていますが、
テクノロジーで効率をあげ収益に繋げています。
今の時代の後出しジャンケンですね。

ただ、メディアを使うやり方も、インフルエンサーを使うやり方も
後出しジャンケンではあるものの「自作自演」です。
このようなビジネスは長続きしません。
消費者もバカではないので、操られていることに気付きます。
そもそも、本当に必要とされる商品を提供していないので、
夢から覚めると熱狂はなくなり、商品は売れなくなります。

アパレルはクリエイティブな商品なので、
造り手の思いを届けることを重要視してしまうかもしれません。

しかし、コレクションブランドでも、世界の情勢から
消費者マインドを読み、消費者が潜在的に必要と感じているものを
形にしています。

自作自演ではない後出しジャンケンで2024年を乗り切りましょう。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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