こんにちは。伊藤忠商事から独立して12年、アパレル業界24年 展示会オンライン 吉川です。今日は「アパレルOEMビジネス 商社の役割」について考えてみます。
私も24年前に社会人1年目で商社に入りました。当時の就職活動では、はっきりと商社の仕事を理解していたわけではなく、実際に入って感じた感覚では、全く理解せずに商社に入った、と言えます。
みなさんがいるアパレルOEMの業界でも、商社が活躍している場面は多くありますが、実際に、商社はどのような役割を担っているのでしょうか?
皆さんは、アパレルOEMビジネスでの商社の役割って何だと思いますか??
・企画生産のアウトソーシング先
・貿易
・与信、決済
・よく分からない
いろんな側面を持ち、時代に合わせてその形を変えているのが商社ですが、現在のアパレルOEMでの商社の役割で一番大きいのは、
企画や生産のアウトソーシング先
という面でしょう。
アウトソーシングとは、その対価を支払うことで自社でやっていた業務を外部に委託すること、です。
では、OEM会社、企画会社とは何が違うのでしょうか?
企画会社、OEM会社との一番大きな違いは、資金力による信用コストの低さと規模の経済による各種コストの低さです。
信用コストの低さというのは、売る側からみて、支払いリスクに対するマージンが商社だと低く設定される、ということです。
各種コストの低さというのは、物流コストなどで圧倒的なメリットを出している、ということです。
同じ工場から同じモノを買った場合、商社の方が安く調達できることが多いです。
なので、単純に商社を外して商社マージンを減らそうとしても、実際には、安くならないケース多々あります。
アパレルの人は、「アウトソーシング」の面しか見ていないことが多いからです。
よくアパレルの現場の人からは「商社の人は何もしない」という意見を聞きますが、実は一番いいのは、「何もさせない」こととも言えます。
商社の人は予算も高いので、「何かさせる」とそれなりのマージンを取らざるを得なくなりますが、「何もしない」と低マージンで済みます。商社の人が何もしなくても、商社という看板を利用することが、一番効率的だと、元商社マンは考えます。
アパレルOEMでの商社の役割 伝わりましたか?
一番目指すべきは、大きくなって、信用コスト、各種コストを商社と同じレベルに持っていくことなのかもしれません。
そこに行くまでは、うまく商社を使いましょう。
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展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。
~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。