こんにちは。伊藤忠商事から独立して12年、アパレル業界24年 展示会オンライン 吉川です。今日は「アパレルOEMビジネス 伸ばすコツ」について考えてみます。
私はアパレルOEMビジネスに24年携わっているわけですが、その間には、伸びたビジネスも、鈍ったビジネスもありました。その原因については、最初は分からなかったのですが、今では分かることも多いです。
みなさんも日々アパレルOEMビジネスで伸ばすことを目標にされていると思いますが、具体的にはどのようにして伸ばそうとしていますか?
生地の種類や、MDの仕組みも大事ですが、実は一番大事なことは、「どうやってビジネスを伸ばすか?」かもしれません。
みなさんの目標である「伸ばす」というのは具体的にはどのようなことを指していますか?
売上を増やして利益を増やすことだと思います。
では、売上を増やすとはどういうことでしょう?
既存の客先のシェアを増やすのか、新規の客先を増やすのか、どちらかになると思います。
既存の客先のシェアを増やすとしても、既存のアイテム(ニットや布帛)のシェアを増やす方法と新規のアイテムを始める方法があります。
今の自分達のビジネスの立ち位置、客先の仕入政策、競合他社との関係によって、どのような戦略を立てるか変わってきます。
既にシェアが50%を超えている場合、今のビジネスはうまく行っている、と言えるでしょう。そして、客先の仕入政策によっては、それ以上同じアイテムでシェアを増やすことは出来ないかもしれません。裏返して言うと、競合他社からは狙われやすい位置にいるとも言えます。
以前は、ビジネスが一度うまくいきだすと5年ぐらいはその枠組で続けられましたが、最近ではビジネスモデルの賞味期限が短くなってきているので、3年が限界かもしれません。
伸ばすためには、既存のビジネスをバージョンアップして競合他社の追随をかわしながら、他のアイテムのビジネスを始めることが必要になってきます。
一方、シェアが20%ぐらいの場合、つまり、仕入先として1軍ではなく、2軍3軍の場合は、1軍のミスを見逃さないようにすることが重要です。また、単純な価格競争は最後の切り札にして、それ以外のところで勝負出来るポイントを探ることが大切です。
アパレルOEMのビジネスのポイントは、3つしかありません。
・品質
・納期
・値段
この3要素を客先に合わせてどのようにバランスを保っていくかが、求められます。
客先が求めているポイントは何か? 競合他社に勝てるポイントは何か?また、勝てるようになるためにはどのようにすればいいか?
これらのことを、仕入先と組み立てていくのが、アパレルOEMビジネスだと考えます。
例えば、以前、私は中国生産で超QR生産の仕組みを作ってビジネスが大きく伸びた経験があります。それは、客先から「こんな事できたらいいなぁ」という無茶な要望を叶えるために、色んな仕入先と研究して作り上げたものです。競合他社を圧倒するQR生産でしたので、「品質」と「値段」がそこそこでも「納期」で伸びたわけです。
伸びている時には、一緒に戦う仕入先が必ず居ますし、そのような仕入先を何社持てるかが、勝負の分かれ道になるともいえるでしょう。
では、そのような仕入先を見つける方法は、というと、色んな仕入先と会って話しして現場を見て、各仕入先の強い点と成長する方向を感じ取り、それにマッチする客先を見つけビジネスを組み立てることになります。
アパレルOEMビジネス 伸ばすコツ、いかがでしたか?
現場に行って色んな話をすることは必ず役に立ちます。時間を作って、どんどん現場に行くこと、新規の仕入先を訪問すること、を地道に続けていけば、自分にあったビジネス、自分が伸ばしたいビジネスも見えてくると思います。
アパレル業界のニュースを7つ選ぶ #7picks は、こちら
その他、毎週月曜日配信のメルマガ「アパレル業界の〇〇な話」もよろしく。バックナンバーはこちら
展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。
~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。