ハサミを持たない美容室

大分発の「ハサミを持たない美容室」リクレが出店を
拡大しています。

カットはせずに、シャンプー・ブローとヘアセットに
サービスを絞り込み、20代後半から40代の働く女
性をターゲットにしています。

カットやパーマは利用間隔も長いですし、毎日はしません。
コロナによって、来店間隔も長くなったとされます。
一方、シャンプー・ブローは毎日のものですし、美容室
でのセットは、気分転換にもなります。

店舗側にもメリットがあります。
カットやパーマ、カラーほど技術を要求されないので、
新人でも短期間でひとり立ちできます。
サービスを絞り込むことで、単価は低くなりますが、
滞在時間も短いため回転数が増え、稼働率も上がります。

美容室の第一のサービスであるカットを放棄することで、
違う市場が生まれている、と言えるでしょう。
ヘッドスパの流行も、この流れに寄与していると思われます。

月1回、カット、パーマ、カラーを決まった美容室に行き、
月8回、シャンプー・ブローとセットにリクレに行く。
このような使い分けが増えていきそうです。

本当にリクレは顧客に寄り添っていると思います。

アパレルで考えてみると、普段はユニクロで過ごして、
大事な時はハイブランドのようなことでしょうか?

それよりも、外出着と室内着の方が近いかもしれません。
外出着と室内着に求められることは違うはずが、
絶対に、外してはいけないポイントもあるはずです。

リクレもシャンプーは気持ちよくないとダメですし、
セットも可愛く出来ないと成り立ちません。

アパレルでも同じことが当てはまると思います。
サービスが充実してきて市場が成熟してくると、
専門化していく、という流れがあります。

アパレルは、ターゲットやアイテムでは、随分、専門化が
進んでいる業界です。
今までの業界とは違う切り口がある気がします。
それを知るには、顧客をよく知ることが大切ですね。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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