コールセンターはコンタクトセンターです!!
日経MJに日本と世界のコールセンターの役割の変化についての記事がありました。
最近は企業のHPや個人のブログなどの充実により、また、問合せすることが億劫なこともあり、コールセンターに電話するのは、私にとっては最終手段となっています。
しかし、いざ電話しようとしても企業HP内で電話番号にたどり着くまで、何クリックも必要であったり、電話番号の記載がなかったり。
あっても、フリーダイヤルではなくナビダイヤルだったり、携帯から繋がらないフリーダイヤルだったり、することありませんか?
更にナビダイヤルで掛けても、「大変混み合っている」というアナウンスで3分繋がりっぱなし、とか。。。。
私はその度に、この企業は顧客サービスとは180度反対の対応をしているが、鬼クレーマーを排除するためには仕方ないのか、と少し残念な気持ちになります。
「もう少し、まともな消費者を掬い上げる方法はないものか?」
と漠然と思っていましたが、この記事は、その答えの1つかもしれません。
デロイトトーマツグループが日本を含め世界14カ国135社のコンタクトセンターの責任者を対象に2020年11月から2021年2月に実施した「2021 グローバルコンタクトセンターサーベイ」によりますと、「コールセンター」の役割の変化に世界の企業が積極的に動いているのに対し、日本企業の遅れが目立つことが分かりました。
海外では単なる問合せ対応にとどめず、顧客との直接の接点を生かして固定客につなげようと、メールやチャットなどの多様な手段でも対応する拠点への転換を急ぐ一方、日本は、電話対応が中心のまま、とのことです。
海外も日本も「顧客体験の向上」のためにコンタクトセンターを設置しているにもかかわらず、「顧客体験の向上」のために重視する指標は、海外と日本では異なっています。
日本企業が重視しているのは、着信した電話に対して即座に応答できた割合という「応答率」であるのに対して、海外企業は、消費者からの信頼性をどの程度高め、固定客に出来るかを示す「顧客ロイヤルティー指標」になっています。
つまり、日本は「スピート」と「均一性」を、海外は「質」を重視していると言えます。
アパレルの業界でも同じようなことが起こってませんか?
日本は「他社と比較した安さ」と「他社より0.5歩先のトレンド」で日本でのマスのシェア獲得を追い求め、海外は「多品種」で「他には無いもの」を提供することで「顧客ロイヤルティーの獲得」を目指しています。
ただ「多品種」でもコスト戦略は重要なので、コストを抑える必要があります。そのためには、販売ポイントを大量に持って「大ロット」にする必要があるので、それを多国籍EC展開で実現しようとしています。
当然、その戦略の裏には「大量廃棄」という問題が見え隠れしています。
しかし「大量廃棄」はテクノロジーの進歩によって徐々に解決していけるでしょう。
未来の完全予想は、コンピュータにも人間にも、誰にも出来ない領域ですが、その精度を少しでも上げたり、効率を高めたるすることはテクノロジーで出来ます。
ロジスティクスの進化によって最適配分も進むでしょう。
他のブランドと比較しながら似たような服を買う消費者よりも、「あなたに会えてよかった」と一直線に買ってくれる消費者を持つブランドの方が、生き残って行くのではないでしょうか?
展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。
~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。