サスティナブル、その本質の話

サスティナブル、その本質の話

先日、自分がしたツィート
「2週間続けて土日は大学生のヨットの試合の運営に行くが、それは、先輩への恩返し」
で、今更、サスティナブルの本質に気付きました。

今のアパレル業界のサスティナブルをテーマにしているもの、ほとんど刺さりません。それは、それらが今抱えている矛盾を解決出来ると思えないからです。また、今までの、エコ→エシカル→サスティナブルと続いてきたアパレル業界の流れが本気で課題解決しようとしているとは思えないからです。

アパレル業界の悪い癖で、「今のトレンドなので乗っておけ」「欧米ではサスティナブルが当たり前だから、打ち出そう」というのが見え隠れします。

大量廃棄は駄目なのかもしれないが、そのお陰で、消費者は安く商品を買うことができ、工場も人を雇う事ができ、生地屋さんも生地を作れる訳です。
それら各段階で地球からの施しを受けているので、サスティナブルの本質とは、地球への恩返しをする、ということなんです。

私のツィートは「ヨット界に恩返ししなきゃ」というもので、直接、アパレルのサスティナブルとは全く関係ありません。大学生のヨット競技の運営は持続可能な仕組みが出来上がっています。学生の競技の運営は、クラブのOBが無償で行う。当たり前のように行う。それは、自分が学生だった時にOBに無償で行ってもらっていたから、その恩返しに自分たちも無償で行うのです。

少し、具体的に考えてみます。

国連が掲げた17の課題のうち、アパレルで最初に取り上げられるのは、⑫つくる責任つかう責任、
・石油由来原料の削減
・大量廃棄問題の解決
です。

石油由来原料の削減という課題に対して、ブランドが自社の在庫や回収した商品をリサイクルに回して、そのリサイクル原料を使用することは持続可能です。ブランドから石油由来原料への恩返しです。

一方、大量廃棄問題の解決はどうでしょうか?オフプライスストアや2次流通やブランドのリネームは持続可能な解決なのでしょうか?単なる換金手段になってないでしょうか?
ブランドは大量生産することで消費者に低価格で高品質な商品を供給します。ブランドが出来る恩返しの一つは、ブランドが自社の在庫や回収した商品をリサイクルして、そのリサイクル原料を使用することです。
再生可能エネルギーを使うことも、地球への恩返しになりそうです。

「地球への恩返しになっているかどうか?」という観点で見ると、サスティナブルと言われているものの白黒が、はっきり付けられます。

私も、その行動が「地球への恩返し」に繋がっているかどうか、を考えていきたいです。

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吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。