アパレルはコミュニケーションのツールになるのか?

比較的都会で生まれ育ったので、住んでいるところに商店も飲食店も無い、というのが想像できません。日本では店もモノも溢れかえっているというイメージです。
しかし実際には、吉幾三の「おら東京さ行くだ」のような商店も飲食店もない町はたくさんありそうです。
そのような町では、買い物や交流はどのようにされているのでしょうか?

フランスに目を向けてみます。フランスでは住民の3割が人口3500人以下の小さな村で暮らしていますが、そのうち、商店も飲食店も全く無い村が約半数を占めるそうです。

ヨーロッパ最大のソーシャルビジネスグループ「SOSグループ」が、そのような村に住民の交流の場となるカフェの開設を進める「ミルカフェ」という支援活動が成果をあげています。

自治体主導で住民参加型のカフェを目指しているため、その支援の認可条件は、各自治体が開設のための適切な不動産を確保して住民の意欲の裏付けを示すこと。

あくまでも地域住民の世代を超えた楽しい集いの場となることを目指しているため、メニューや営業時間などは住民も交えて決めています。

「ミルカフェ」は資金提供、店主の採用、研修の支援をしています。

日本でも少し似た「道の駅」事業がありました。今や、コロナの影響もあり閑古鳥が泣いている道の駅もあるようです。国からの助成金が目当ての箱型事業で、かつ不運なことにメインターゲットの観光客が激減したためです。

結果論かもしれませんが、「道の駅」の事業のコンセプトを「ミルカフェ」のような地域住民のためのものにしておいたら良かった、と思います。
今からでも遅くないので、地域住民のための道の駅が生まれてくることを期待します。

アパレルで考えると洋服やライフスタイルをキッカケに地域の交流が生まれる、ようなことはあるかもしれませんね。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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