アパレルOEM 工場へ行くべき理由

アパレルOEMビジネス 工場へ行くべき理由

こんにちは。伊藤忠商事から独立して12年、アパレル業界24年 展示会オンライン 吉川です。今日は「アパレルOEMビジネス 工場へ行くべき理由」について考えてみます。

 目次

  1. はじめに
  2. なぜ工場へ行くことが必要なのか?
  3. 工場で何をしたらいいか?
  4. 最後に

 はじめに

 私はアパレルOEMビジネスに24年携わっているわけですが、海外の工場へ足を運ぶのが好きです。もちろん、街ナカにある事務所ではなく、実際にモノが作られている現場です。
 年間平均20軒の現場に行ったとして、400軒以上現場を見ていると思います。当然その時の経験が、今の展示会オンラインの工場登録件数に繋がっているのだと思いますが、そんなこと抜きにしても、昔は土日を削っても見に行っていました。同行してくれていた現地スタッフには嫌われていたことは間違いないです。
 
 「最近は経費が出なくて海外出張自体出来ない」
 「現場は現地のQCが回っているから、行く必要がない」
 「そもそも見に行っても、何を見ていいか分からない」

 このような意見もあるでしょう。私の若い頃とは状況も違います。

 しかし、私は声を大にして言いたい。

 「現場を制するものが、アパレルOEMビジネスを制する」

 なぜ、現場を制することがアパレルOEMビジネスを制することになるのか、なぜ工場へ行くことが必要なのか、考えてみましょう。

 なぜ工場へ行くことが必要なのか?

 工場へ行って何をするか、まずいちばん大切なことは「感じる」ことです。

 「どのような工場か」
 「オペレーターはどのように働いているか」
 「雰囲気はどうか」
 紙や文字では分からないことがそこにはあります。数をこなしていると、自分に合いそうなところと合わなさそうなところ、もしくは、あのお客さんには合いそうだ、とか感じることがあります。

 「そんなぼんやりしたことのために工場へ行くんですか?」と言われそうですが、私が現場に行って一番大切にしていることがあります。

 工場へ行って何をしたらいいか?

 入出荷の流れ、危険物の管理、保管場所の管理など工場調査のマニュアルに則ったところは一通り見ます。(工場で見るべきポイントのまとめは、こちら
 商談室にある、サンプルも一通り見ます。しかし、一番見たいのは別の場所。。。

 私が一番大切にしている場所は、「サンプル室」です。そこでは、色んなブランドの「未来」が詰まっているからです。どのような会社からどのようなブランドの商品のサンプル依頼が来ているか、形や素材、加工などが見えます。また、間にどのような会社が入っているのかなども分かります。

 同じような意味合いで、事務所を見ることもあります。一人の担当者がどのぐらいの仕事を抱えているか、どのような商品を作っているか、などが分かります。
 最終の仕上げ場所、検品場所は、いよいよ商品が世に出される場所、どれぐらいの発注数量なのかなども分かりますし、補修現場では、不良の発生内容なども分かります。

 そして、実はこの「サンプル室」「事務所」「最終仕上げ場所」など、見せてくれない工場もあります。それは「情報管理が徹底している」という意味でもあります。わざわざ来ているのだから見せてくれてもいいと思うのですが、見せてくれなくても逆に安心できます。
 何度も現場に足を運んで仲良くなると、見せてくれる場合もあります。

 何がどのように作られているか、社内外の情報を集めること、そのような情報こそが客先の求めていることではないでしょうか?

最後に

「現場を制するものが、アパレルOEMビジネスを制する」

この言葉の意味、分かっていただけたでしょうか?

 いい商品を作るためには、多くの情報を集めて、そこから組み立てていくことが大切だと思います。ブランド側では、同じように「店頭を見ろ」ということがよく言われていると思います。アパレルOEMの業務は、海を隔てた向こう側の行きた情報を集めること、ブランド側はお店の情報を集めること、その2つが組み合わさっていい商品が作られると考えます。
 それぞれの存在価値は、そこにある、もっというとそこにしかないので、簡単にアウトソーシングして欲しくないですね。

アパレル業界のニュースを7つ選ぶ #7picks は、こちら

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吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。