こんにちは。 展示会オンライン 吉川です。4月から新しい年度が始まりますね。4月から新社会人として、アパレル業界に入ってくる方も多いと思います。総合商社から独立して12年、アパレル業界24年の経験を元に、4月からアパレル業界に入る人に伝えたいこと、というブログをお届けしたいと思います。
こんな不安ありませんか?
「何を勉強したら良いんだろう?」
「アパレルの専門知識がないので不安だ」
また、4月から部下が入ってくる人も多いと思います。
「自分のときは、ちゃんと教えてもらえなくて苦労した」
「下に入ってくるのだけれど、何から教えたら良いだろう?」
そのような方にむけて、「アパレル業界に入る人に伝えたいこと」と題して、今日のブログを進めたいと思います。
専門知識なくてもやっていけるか?
最初は何から手をつけたらいいか?
専門知識を効率的に習得する方法
専門知識なくてもやっていけるか?という問いに対して、答えは「YES]です。
入社した時には知識がなくても大丈夫という意味です。
なぜかと言うと、実際の業務で使う知識は現場で覚えることがほとんどだからです。そして、ほとんどの人が専門知識がないまま、仕事を始めているからです。
私も全くアパレルの知識がないまま、OEMをする課に配属されました。3年後には、そこそこモノについてお客さんと話が出来るようになりましたので、大丈夫です。
もちろん学校でアパレルのことを学んでいる人よりは、最初、ハンディキャップがあるのは事実です。
でも、よく考えて下さい。
これから朝から晩まで、しかも、お金を稼ぐためにそこそこの集中力を持って仕事するわけです。勝手に知識はついていきます。
専門知識の中で、真っ先に習得して欲しい知識は、日々の業務に関連する知識です。
これは一刻も早く習得しないと、仕事になりません。仕事をしていても、何もわからない状態でやっていては楽しくないですし、周りにも迷惑をかけることになります。
では、日々の業務に関する知識はどうやって習得するか?
普通は、先輩に業務を教えてもらいながら、徐々に習得することになると思います。接客などに関しては、マニュアル化されていることもあるかもしれません。
でも一番大切なことは、最初に全体を教えてもらうことです。
この「全体」という考え方が大切です。どこかへ行くのに、現在地とゴール地点を上から見てスタートするのと、いきなり「前」とか「次、右」とかだと不安ですし道を間違える可能性高いですよね。
例えば、繊維商社に入った場合、その課が担当している商品はアパレル業界でどのような位置にいるのか、販売先・仕入先にはどのような会社があるのか、自社の中では自分の課がどのようなポジションにいるのか、自分が担当する業務が課の中でどのような役割なのか、などの全体を最初に聞いた方がいいです。
そして、日々目にする情報や会話が全体でどのような意味があるのかを考えることで、効率的に専門知識が習得できるでしょう。
「全然、先輩が教えてくれない」という場合もあるかもしれません。
その場合は、こちらから質問していくしかありません。自分ももしかすると来年、部下が出来て教える立場になるかもしれないのですから、今からその準備をした方が良くないですか?
就職活動を通してアパレル業界のことを勉強してきた人も多いと思います。もしかすると、学校で学んだ人も、アルバイトなどの仕事を通じてアパレル業界に接してきた人もいることでしょう。その経験は大事にして欲しいです。
しかし一番大切なことは、まず、自分の業務のポジションを知ることです。そして、そこで必要とされる専門知識がどのようなものなのか?が分かれば、もう、心配することはありません。
専門知識を効率的に習得するためには、知識を経験することが必要です。
初めて耳にするような言葉が頻発すると思いますので、聞くだけでは、また読むだけでは記憶に残らないからです。
例えば、お客さんの名前を覚える時には、紙に書いたほうがいいですし、口に出したほうが覚えられます。生地の名前を覚える時には、生地を触りながらの方がいいですし、スワッチ作成するチャンスがあれば、積極的に手伝ったほうがいいです。
これらをマニュアルだけで習得しようと思っても中々出来ません。
専門知識には終わりがないので、不安という人がいるかも知れません。
確かに、専門知識は、どこまで掘り下げるかによって量が異なります。私も24年この業界にいますが、まだまだ知らないことだらけです。どんどん新しい言葉も出てきます。しかし、業務を回せる最低限の専門知識は1年あれば、覚えられるでしょう。
業務を回せるようになった後は、あなたが興味あること、業務を次のレベルに進めるために必要なこと、を覚えるタイミングです。ここから先が、あなたのビジネスパーソンとしての価値が生まれる場所です。社内の誰も知らない知識を習得すれば、あなたは会社でオンリーワンの人間になりますし、お客さんに対しても同じです。
こうして考えると、いかに多くの場面を経験することが大切か分かると思います。
「知らないこと」に消極的な人がほとんどですが、「知らないことを知りたい」気持ちはいつまでも持ち続けた方が楽しいと思います。
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全体を見ることの重要さは、この本でも分かります。
展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。
~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。