EDLPではなくEDFP

EDLP エブリデイロープライス 毎日安売り
EDFP エブリデイフェアプライス 毎日最適価格

EDLP は世界の小売業トップのウォルマートが実践した考え方です。
それまでの小売業では、プロパー価格で販売する期間と、
特別なセール価格で販売する期間を織り交ぜる
「ハイ・ロー・プライシング」
を採用し、特売やチラシで集客するのが一般的でした。

そこで、ウォルマートでは「毎日安売り」を実現するために、
取引条件の見直し、PB商品の積極的開発などで、
継続的に低価格で安定して調達出来る仕組みを作りました。

日本でも多くの小売ではPBが拡大しています。
セブンプレミアム、情熱価格などがありますね。

例えば、あなたが7-11でお茶を買う時、
100円のセブンのPBと、150円のお~いお茶、
どちらを買いますか?
中身が同じであればPBを買うことも多いと思います。

PBはメーカーが開発したものの焼き直しが多いので、
PBが増えるとメーカーの新商品開発が後手にまわり、
結果、消費者の選択肢が狭くなる可能性があります。

PBは後出しジャンケンですから、ビジネスで勝つためには
重要な戦略かもしれません。

世の中がPB後出し戦略に染まっている中、
「PBは絶対にやらない」
としている、通販会社があります。

DIY通販の大都です。

彼らは、
「どこでどれだけ売れたのかという販売情報」
をメーカーにフィードバックすることで、
NBの在庫を「仮想在庫」として共有しています。
出荷はメーカーから直送するので、
大都は物流センターも在庫も持ちません。

「最低価格ではなく必要なときに確実に手に入れたい」
「最低価格で3日かかるよりも、定価でいいから明日欲しい」
というお客さんをターゲットにしているため、
価格競争に巻き込まれないという特徴があります。
もちろん安く提供するはするが最低価格を目指さない、
というスタンスです。

そして、その実現のためにPBではなくNB を大切にする。
NBに還元して新製品を開発してもらう。
自分たちをそれを販売させていただく。

昔は当たり前だったことを、PB後出し戦略がひっくり返し、
また、振り戻しが起こっているのかもしれません。

アパレルでもSPAが当たり前のなか、
その隙間を縫って、古くて新しい形態が出てくると面白いですね。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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