アパレルメーカーとしての究極

自動車の世界では、トヨタやホンダがF1やWRCに参戦することで、
メーカーとして技術開発をすることは当たり前でした。

アパレルではコレクションに参加することで、
新しい素材や新しい技術が開発されていくことがあります。

また、スポーツアパレルでは、プロスポーツやオリンピックに向けて
ユニフォームを開発することによって、新しい技術が生まれてきました。

どちらも、モノとしての採算や生産効率を無視して、
いまそこにある課題を解決するために、
全技術を動員します。
結果、技術の向上はもちろん、
発想や思考の限界も超えてきたのではないか、と思います。

そういう点で、今回デサントが発表した
デサントプロ
に注目しています。
https://store.descente.co.jp/descente/feature/pro

スキー、ゴルフ、トレーニングの3分野で、
究極の機能を持った服を開発し、販売する、という新しいラインです。

単に、日本製で高級、とか、素材に希少価値があって高級、ではなく、
工業製品として最高の技術を投入しているから高級なのです。

デサントプロは、一般の人よりも業界の人がサンプルで購入するのではないでしょうか?
私も一度、手にとって見てみたいです。

デサントプロを開発することで、一般の商品に落とし込まれていく技術も出て来るでしょう。
また、意外にも売れてしまって、
新しいマーケットが生まれてくる可能性もあります。

究極のものを追求していくと、
その先に新しい世界が見えてくる、
そんな気がします。

アパレルが”メーカー”を名乗るなら、真似事ばかりではなく、
究極のモノ作りをしていくべきではないでしょうか?

そこで問題になるのは
「何をもって、究極とするのか?」
というゴール設定でしょう。
究極的にどんな価値を提供するのか?
その価値は消費者が求める究極なのか?

私たち中間業者も同じような視点が必要かもしれません。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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