先週の日経MJの ”消費を斬る” というコラムに
「SDGs疲れ」
という言葉が出てました。
巷にSDGsの情報があふれ、
「もっと私も頑張らなければ!」
「どれぐらい貢献できているのかが不安!」
などと感じている人が増えている、
というのです。
そして、SDGsが浸透した結果、
「環境に配慮するのは企業として当然なので、
わざわざ言わなくても良いのではないか?」
という声も出てきています。
猫も杓子もSDGsを打ち出しすぎて、
その情報を受け取っている人が疲弊している、
このような状況は、もはや持続可能とは言えません。
そこで、
「後からサスティナブル」
という考え方を提案しています。
それは、商品やサービスとして消費者にとって
魅力的なものが、実はSDGsに貢献していた、
というものです。
食品の例が挙げられています。
ある海鮮丼屋さんが、
・魚介類の端材を利用してバラ丼にしたり
・サーモンの皮を揚げたり
・マグロの血合いを血抜きして角煮にしたり
などして、食材の廃棄ロスをなくしています。
ただ、これはSDGsのためにではなく、
「お客さんに安くて美味しいものを提供したい」
という基本的な考えから生まれているのです。
お客さんからすると、
安くて美味しくて、その上、SDGsに貢献できて、最高
となるわけです。
昔からお肉屋さんでミンチカツやハンバーグ、コロッケが
売られていたのも、これと同じですね。
経営者が利益を最大化しようとすると、
自然にこのようなことが生まれます。
”今あるリソースを最大限活用して、最大の利益を追求する”
経済的にも持続可能なことがSDGsでは重要視されているので、
原点に戻って考えたほうが良いのかもしれません。
廃棄野菜で生地を染めることが、本当に良いのか?
過剰在庫のネームを付け替えて販売することが、本当に良いのか?
アパレル業界も試されています。
展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。
~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。