日経MJで「米国流通 現場を追う」という連載があります。
アメリカの小売の動向が分かるので参考になることが多いです。
先日は、
「人気youtuberがハンバーガー店をオープンして大人気に」
という記事がありました。
・登録者数1億3000万人の人気youtuberがハンバーガー店をオープン
・オープン初日の来場者は1万人
・リアル店舗は今もそのニュージャージーのショッピングモールの店舗のみ
・他の地域は最初から他の外食産業と提携してゴーストキッチンとして利用
・オープン時は全米300ヶ所、今では、1700ヶ所に拡大
新しいのは
・最初からゴーストキッチンでの出店戦略を立てた
・アプリ経由での注文に集約している
・デリバリーとピックアップが一般的になったから実現可能
という点が挙げられます。
強力な拡散力をもつyoutuberにしか出来ない事かもしれませんが、
外食なのに自前のキッチンを持たずに運営する、というスキームが
素晴らしいと思います。
東京にしか店がないのに、京都でも福岡でも北海道でも注文して食べることが出来る、ということですから、すごいことです。
採算面では、商品原価率は上がりそうですが固定費が下がるので、損益分岐点は下がりそうです。
インフルエンサーだから成功するのではなく、商品自体に競争力があることが大前提ですが、最初から店舗展開を考えない、というやり方は、今後、日本でも増えそうです。
全く同じことをアパレルで置き換えることは不可能です。
ただ、このハンバーガー屋にとって、全国の人に食べてもらうためのボトルネック(制約条件)が「リアル店舗出店」だったとすれば、アプリ注文のみにして「他の外食産業」と提携してゴーストレストランを使うことは、理にかなっています。
もし、アパレルでのボトルネックが「実物を触って試着してもらう場を設置すること」であるとすれば、自前でお店や試着専用店舗を設けずに、「他のアパレル産業」や「他のサービス業」と提携することで、ボトルネックを解消することが出来るかもしれません。
あなたなら、どんな方法でボトルネックを解消しますか?
展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。
~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。