グリーンウォッシュを回避せよ

12/2 の繊研新聞に興味深い記事がありましたので
紹介します。

ファッションとサスティナビリティーの特集で、
カケンテストセンター 志賀聖氏による
「グリーンウォッシュ回避を」
という記事です。

要約すると、
・サスティナビリティー分野で先行している欧州では、
サスティナビリティーを評価する際に、点ではなく面で
考えること=ライフサイクルアセスメント(LCA)
で考えることが当たり前になってきている。
・日本でもリサイクルの定義はJISで規定されている
・2013年には環境省が「環境表示ガイドライン」を策定し、
環境主張を行う事業者に対して、5つの基本項目を定めている。
①あいまいな表現や環境主張は行わない
②環境主張の内容に説明文をつける
③環境主張の憲章に必要なデータ及び評価方法が提供可能であること
④製品または工程における比較主張はLCA評価、数値などにより、
適切になされていること
⑤評価及び検証のための情報にアクセス可能であること
・”実態が伴わないのに、製品やサービスが環境に配慮
しているように見せかけること”は欧州では「グリーンウォッシュ」
と言われ、大変厳しく監視されている。
・海外市場と取引するのであれば、日本でも同じ姿勢で臨むべき
ではないか?
ということです。

志賀氏からみると、日本のアパレルは、
「グリーンウォッシュまみれ」
なのだと読み取れます。

まずは、アパレル事業者が環境省のガイドラインと欧州での
考え方を理解する必要があります。

サプリなどでは薬機法に接触するかスレスレのところで、
チキンレースが行われて来ました。健康被害の恐れがあるもの
なので、厳しく取り締まられてきたと思います。

今や、環境主張も同じレベルになってきているのかもしれません。
「あいまいな表現によって、環境への配慮を大まかにほのめかす
主張をしてはならない」と示されているということは、現状では、
「あいまいな表現によって、環境への配慮を大まかにほのめかす
主張がある」
ということです。

欧州や世界の常識はすぐに日本でも常識になります。
その際に、消費者を騙してきた事業者はファンを失うことになり
ます。同時にアパレル業界全体の問題でもあります。

10年後の利益に直結することだと思いますので、
すぐに取り組んだほうが良さそうです。

まずは、何から始めましょうか?

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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