消費者が求めているもの

「業界人だから知っていること、ないですか?」
と聞かれたので、考えてみました。

一応、この業界に26年在籍していますので、何
かあるだろう、と思っていたのですが、「業界の
闇」は話出来ても、一般消費者の役に立つような
ことが何も思い浮かびません。

そもそも、一般消費者は服に関してどのような悩
みや疑問を持っているのか、が分からないのです。

ということで、ある会社で社内アンケートをとっ
てもらいました。20代の女性が多い会社です。

どのような悩みや疑問が多いと思いますか?
私の予想は、
「どのような服が似合うかが分からない」
でした。

そして結果は、
「サイズが合う服がなかなか見つからない」
「服を傷めない洗濯方法が分からない」
でした。

サイズに関しては、ものを作っている側の方が
バラツキが出ることを知っているので、シビア
ではないのかもしれません。

服のサイズというのは、非常に難しい問題です。
デザインやシルエットによってサイズ感は変わり
ます。
着用感とサイズ感がごっちゃになっていて、そも
そも「サイズが合う」という感覚も人によって異
なっている可能性もあります。

洗濯方法に関しては、業界の人間であれば、水洗
いできないもの、ドライ出来ないもの、大体分か
りますが、一般消費者は確かに分からなそうです。
洗濯ネームの表示も分かりにくいですし、特に、
干し方の指示は難易度が高いです。

こうして考えてみると、
・サイズ展開が豊富にある
・洗濯機の標準コースで洗えて吊り干しかタンブ
ル乾燥ができる(アイロンが不要)
という商品を集めるだけで、多くの人の悩みが解
消される気がします。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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