クラブ活動の意味

今年の頭から、大学時代にやっていた体育会ヨット部の
全国組織の委員をしています。

この90年以上の歴史のある全国組織で、
「そもそも何のための組織か?何のために活動するのか?」
という議論が起こっています。

今までは、日本を9つのブロックに分け、各地域で予選を行い、
年に1度、全日本選手権を行う、というだけの組織でした。

が、人口の減少や東京への一極集中によって持続が困難になってきたため、原点に戻ろう、という流れです。

ヨットはマイナースポーツですが、
近代オリンピックでは1,2回を除いて開催される伝統スポーツです。

それゆえ、子供の頃からオリンピックを目指す選手もいて、
その通過点として、強豪大学に入り日本のトップを目指します。

一方、私のように大学に入って何となく始める人も多いです。
オリンピックなど全く興味がなく、課外活動としてヨットに乗る。

このように温度差がある人間が同時に試合を行ったり組織の運営をすると、
うまくいくわけがありません。

そして、大学によってクラブの立ち位置も異なります。
ヨットは1艇300万円ぐらいするのですが、残念ながら、
新しいヨットのほうが速く進みます。
勝つことだけ考えれば、毎年1艇ヨットを買っていくことが必要ですが、
大学生がほいほい買えるものではありません。

大学経営のためにクラブ活動に支援をしている大学と、
課外活動として支援している大学では、
その支援額に大きな差があり、試合結果に大きな影響を与えます。

このようないろんな偏りがある中で、
「そもそも何のための組織か?何のために活動するのか?」
という議論こそが、もはや成り立たない気がしています。

やはり組織というものは、大きいものであっても、
小さいものであっても、共通の価値観を共有し、その価値観をもって
判断していくようにしなければ存続できないのです。

アパレル業界でも同じです。
ビジネスなので利益を上げることが目的ですが、
「世の中にどのような価値を提供して、対価を得るか?」
が明確でなければ、長く続けることは出来ません。

判断の軸がブレると、ビジネスもブレてしまいます。
判断の軸がないと、そもそも立っていられません。

昔はそんなこと、誰も考えてなかったと思うんですが、
時代が変わるとはこういうことなのでしょう。

吉川一平

展示会オンラインの主催者です。アパレルOEMのビジネスをして20数年の、そこそこベテラン。ある工場の社長から付けられた呼び名 「カットソーの貴公子」 は使ったことありません。

~略歴~
京都大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。 退職するまでの12年間、アパレル部門で製品OEMビジネスに携わる。 2008年独立し、株式会社京都エモーションを設立し、現在に至る。

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